ZS 乗り合わせ

この世は

船の乗り合わせ 

さまざまな人がいるが

みんな同じ岸に向かっている


同朋である


 終戦前後のころはバスに「〇〇乗合自動車」と書いてありましたが、
バス(bus)という英語の元の言葉omnibus(すべての人々のための
乗り物)を和訳したものです。「乗合い」とは何かほのぼのとした雰
囲気をもつ言葉です。 「乗合」に乗りますと、もちろん皆他人であ
りながら、お互いに観察しあい、視線を交し合い、時には言葉をか
けあって、何らかのつながりができました。
「そで振り合うも多生の縁」というとおり、同じ自動車、同じ船に乗
り合わせたご縁を大切にしたということでしょう。現代の「バス」に
もそのような温かい気分があるでしょうか、「無関心」で冷え切っ
ていなければよいのですが。
 仏教では「一切の衆生にことごとく仏性あり」と説きます。どのよ
うな人も、見知らぬ人も、嫌いな人も、敵・仇でも、本来はみな仏
になるべき人なのだ。ただ、煩悩に覆われた目には見えないだけ
だと教えています。「平等心ヲウルトキヲ 一子地トナヅケタリ」(親
鸞聖人和讃) この一如平等の仏の世界こそ「乗り合わせた者・
同朋」の支えであり、彼岸であります。

(出典 藤枝宏壽 『自分を見る眼』)
【キーワード】 悉有仏性 同朋 乗り合せ
        心の通いあい