XT 「いぬじに」が「いぬじひ」に

 ある同行さんから電話が入り、「うちのクロちゃん
が死んだので、お経にきてほしい」とのこと。さて、
どんなお経をあげようか? 今までにもそういうこ
とは何回かあったが、たいてい阿弥陀経をあげた。
しかし、今日はちょっと考えて、無量寿経の四十八
願の第一、第二の無三悪趣の願と、第十七、十八、
二十二願、および往覲偈の経文を読誦したあと、和
訳正信偈(特に「生きとし生くるものすべて このみ
光のうちにあり」「罪のひとびとみ名をよべ 我も光の
うちにあり まどいの眼には見えねども 仏はつねに
照らします」)を唱和してもらった。
 御文のかわりに「浄土真宗の救いとよろこび」
を拝読し、一口法話。
 「阿弥陀如来は『十方の衆生(生きとし生けるもの
みな)』を救わんと、光をはなち、みんな(人間も動物
も)がその光の中にある。クロちゃんもその救いの光
の中にある。
 また往覲偈の中に「若し人、善本なければ、この経
を聞くこと得ず」とある。クロちゃんの死は、今こうして、
家族の方が、お経・仏法のご縁に遇う機縁「善本」とな
っている、言わば「善知識」になっていると頂ける。
 みなともに阿弥陀仏の本願・名号の内にあるのだか
ら、お念仏を喜び、送葬してください。」
 
 こうしてみると、「犬死に」が「犬慈悲」に
転じたことになると、味わったことです。
     

        
(筆者 八王子山 淨厳  (H29・2・19))
【キーワード】 畜生 無三悪趣 衆生 
   生きとし生けるもの 善本 善知識
   聞法の機縁

参考:
   家人曰く
   「犬はウソをつかない。人間は・・・?」