SC おまえも死ぬぞ

「おまえも死ぬぞ  釈尊」



というこの掲示法語が日本伝道協会の二〇一八年大賞に選ばれました。岐阜県郡上市八幡町の真宗大谷派願蓮寺(石神真住職)の掲示板です。
 ぎくりと来るこの一句、だれが発案されたのかと関心を寄せていたところ、石神住職によれば、『岐阜教区 掲示伝道用語集』に載っていたものであるとのこと。
 更に、三重県津市の堅田光英師から、毎田周一先生が「諸行無常」を「於摩江毛志努曽」と翻訳されたものだと友人から聞いたと教えられ、興味が湧いたので、さらに尋ねて『毎田周一全集』の第十二巻に行き着きます。
 すると、大元は毎田先生が善知識と仰がれた暁烏敏師の言葉「於麻位毛志努曽」(おまいもしぬぞ)「斯婆迦」(この馬鹿)だと分かりました。
 そして毎田先生は解説されます。〝二つとも如来の私達に対する呼び掛けのお言葉であるが、まず「お前も死ぬぞ」と仰言る。これを聞いて私達は全く混乱し、解らなくなってしまう。・・・そこに妄念妄想しか湧いてこない。この妄念の凡夫が「この馬鹿」ということだ。
 この人間が馬鹿だということが実にありがたい。・・・「この馬鹿」と如来が呼び掛けて下さるのは、「お前は助かっているぞ」といって下さっているのだ。愚かさこそ救いだ。だからそうして救われた喜びを、親鸞聖人は南無不可思議光如来と告白されたのだ〟とー。
 そして最後の頁に、毎田先生(悠寂院釋一周)
の死の床にかけられていた短冊の写真がある。



 
 諸行無常の哲理を真に受けようとしない馬鹿者に、厳しく教え、優しく救うてくださるのが不可思議光仏なのでした。
たのめとは助かる縁のなき身ぞと
 教えて救う弥陀のよび声 (藤原正遠)

 今、コロナ禍で大騒ぎしていますが、「コロナでなくてもみな死ぬ」無常の世を、今は生かされているのである。この肚のすわりが大切だと
実感したことです。
(出典 聞法ノート)
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