SC 曼荼羅と曼陀羅の違い

「曼荼羅」と「曼陀羅」はよく似ているが、本来別語である。「曼荼羅」は密教系の図絵であり、大正新脩大蔵経(SAT)中14,007回と多く使用されている。
 他方、「曼陀羅」はSATで1,525回出るが、用法は二分される。
 「曼陀羅華」「曼陀羅花}(414回+254回、計668回)・・・天界の妙華の場合と、
 「胎蔵界曼陀羅」(23回)、「金剛界曼陀羅」(6回)、「曼陀羅界」(17回)など、密教の「曼荼羅」を意味する(漢字誤用の)場合とがある。

 しかし、以下に見る辞典によると、曼荼羅と、曼陀羅とではサンスクリット原語が異なるのであるから、本来は別語と認識すべきである。

曼荼羅
A)『広辞苑』
  まんだら【曼荼羅・曼陀羅】
  〔仏〕(梵語 maṇḍala、輪円具足・道場・壇・ 本質などと訳す)諸尊の悟りの世界を象徴す るものとして、一定の方式に基づいて、諸仏 ・菩薩および神々を網羅し  て描いた図。四種 曼荼羅・両界曼荼羅など多くの種類がある。 もともと密教のものであるが、浄土曼荼羅や 垂迹(すいじゃく)曼荼羅、日蓮宗の十界(じ っか  い)曼荼羅のように、他にも転用される。 おまんだら。
B)『仏教語大辞典』(中村元)<摘要>
  ①壇 ②神聖は壇(領域)に仏・菩薩を配し た図絵で宇宙の真理を表したもの。真言密教
   で説く内在即超越的な絶対である法身、大日
   如来のさとりの境地を図画したものである。 これに胎蔵界・金剛界の二種がある。
C)『Wikipedia』
  (まんだら、梵語:मण्डल maṇḍala、チベット語:མཎྜལ(めんでる, maNDal), དཀྱིར་འཁོར་(きんこる, dkyir 'khor))とは、密教の経典にもとづき、主尊を中心に諸仏諸尊の集会(しゅう  え)する楼閣を模式的に示した図像[1]。ほとんどの密教経典は曼荼羅を説き、その思想を曼荼羅の構造によって表す[2]ので、その種類は数百にのぼる。古代イ  ンドに起源をもち、中央アジア、日本、中国、朝鮮半島、東南アジア諸国などへ伝わった。21世紀に至っても、密教の伝統が生きて伝存するチベット、ネパール、   日本などでは盛んに制作されている。

  漢字による表記のバリエーションとして「曼陀羅」があるが、日本の重要文化財等の指定名称は「曼荼羅」に統一されており、ここでも「曼荼羅」と表記する。

日本では、密教の経典・儀軌に基づかない、神仏が集会(しゅうえ)する図像や文字列にも、曼荼羅の呼称を冠する派生的な用法が生じた。またチベットでは、須弥山を中心とする全世界を十方三世の諸仏に捧げる供養の一種を「曼荼羅供養」と称し、この供養に用いる金銅製の法具や、この法具を代替する印契に対しても、「曼荼羅」の呼称が使用されている。
          
曼陀羅華
A)『広辞苑』
 まんだらげ【曼陀羅華】
〔仏〕(梵語 māndārava)天上に咲くという 花の名。四華の一種で、見る者の心を喜ばせるという。
〔植〕チョウセンアサガオ・ムラサキケマン の別称。

B)『仏教語大辞典』(中村元)<摘要>
  曼陀羅華 まんだらけ
  Ⓢmāndāra;Ⓢmāndāravaの音写。天妙華・適 意華・悦意華・白華などと漢訳する。色よく、
  芳香を放ち,高潔で、これを見る者の心を喜 ばせるといわれる天界の花。日本では誤って
  朝鮮朝顔・山茄子に比定されている。

C) 新纂浄土宗大辞典
 まんだらけ/曼陀羅華
 天に咲くとされる花の名称。意に適う花や心 を悦ばせる花といわれ、また様々な色に変化 する花ともいわれる。ⓈmāndāravaやⓈmāndā raの音写語。意華、微妙音華などと意訳され る。『阿弥陀経』には「昼夜六時に、曼陀羅華 を雨ふらす」(聖典一・三一六/浄全一・五二) とあり、極楽では天より曼陀羅華が降り落ち るとされる。また摩訶曼陀羅華・曼殊沙華・ 摩訶曼殊沙華とともに四華といわれる。

(出典 聞法ノート)
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