SC 鶴亀(燭台)のこと

現在、真宗大谷派などで、仏前荘厳の三つ具足、向かって右に亀に鶴が乗った形の燭台を用いる。
 それについて2,3の知識。
①五具足の場合は左右に鶴亀を置くが、鶴が嘴 を少し開いて「阿(ア)」と言っている方が向 かって右、閉じて「吽」(ウン)と言っている のが左;合わせて阿吽の呼吸…機法一体の意)
②鶴亀の燭台はもとは世間の調度(室町までは 祝言の床飾り)であったがや がて仏具にな ったという(『孝信録』)
③親鸞聖人が、六角堂観音菩薩の夢告により、 九条兼実公の婿君になられたとき、ご祝儀と
 して九条家より六角堂観音に対し、対の立花 に鶴亀の燭台を奉られた。(六角堂池坊『華道 極秘伝鈔』…『故実選要鈔』所載)
④真宗でこの長寿の(めでたい)象徴を仏具と する理由(味わい)
 1 「鶴は千年、亀は万年」という長寿でめで   たいことであるが、念仏者はそれに勝り、
   無量寿のいのちを得られることよと法味   愛楽の機縁となる。
Cf.「大信心者長生不死之神方也」
    (信巻)
Cf.「弥陀の本願ともうすは、名号を  となえんものをば極楽へくかえん  とちかわせたまいたるをふかく信  じて、となうるがめでたきことに  てそうろうなり」
(末灯鈔)
2 鶴の足は長い、亀の足は短い。それぞれ自性であり、そのままで自然のはたらき
をしている。
 我ら凡夫、善悪賢愚の別はあっても、
持ち前の自性のままにて万機普益、そのままで助けるぞとはたらいてくださるのが如来様の本願力よと、鶴亀を見るにつけてご恩報謝、法悦のご縁。

(出典 『真宗事物の解説』を元に、宏寿
    補説)
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