SC 悉皆金色の願とヴァルナ

 四十八願中、第三願 悉(しつ)皆(かい)金色(こんじき)の願「設(たと)ひ我仏を得んに、国の中の人天、ことごとく真(しん)金色(こんじき)ならずは正覚を取らじ。」は、どの人も同じ「金色」の容色にならろうという願いであり、なぜ「金色」を願うのかと異様に思うが、実は、アリアン人も非アリアン人も皆同じ皮膚の色になって、インドのカースト(四姓・・・司祭(バラモン)・王族(クシャトリア)・平民(ヴァイシャ)・隷属民(スードラ))による人種差別、身分差別をなくしたいという、この世の現実の苦難の反転であると言われている。
 念のためにネットで「カースト」を検索するとインドでは「カースト」よりもむしろ「ヴァルナ」といい、「色」が原義だという。
 そこでオックスフォード梵英辞典で調べるとこう出ている。
 varna:colour of the face; (esp.)good colour or complexion; class of men, tribe, order, caste (prob.) from contrast of colour between the dark
aboriginal tribes and theri fair conquerors.
  (ヴァルナ: 顔の色;特によい顔色・肌色;征服民族(アリアン民族)の色白の肌色と、被征服民族(原住民族)の色黒い肌色との対比から生じた人   々、部族、身分、カーストの階級。
  これで「悉皆金色」という願の出拠が分かる。
第三願はヴァルナ(顔色・肌色)による差別の現実苦を解消しようという願いであり、カースト否定は釈尊の仏教教団の特色でもあったのだ。
 釈尊が、教団入門の順序により、従弟(クシャトリア=王族階級)の阿那律(あなりつ)(アヌルダ)に命じて、スードラ(隷従民)であった優波離(ウパーリ・理髪師)に敬礼させられたという話が有名である。
        
(出典 聞法ノート)
【キーワード】四姓制度 カースト ヴァルナ
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  優波離 仏教教団 釈迦 平等