SC 世間虚仮 唯仏是真

聖徳太子の
「世間虚仮 唯仏是真
という遺言はお后の橘大郎女(たちばなのおおいらつめ)に言われた言葉で、后が推古天皇からの援助を受けて織った「天寿国繍帳」の中に書かれている文(後に『上宮聖徳法王帝説』という書になる)の一部として残っている。
 (その書き下し文・・・一部)
 明年二月二十二日甲戌夜半、太子崩ず。時に多至波奈大女郎、悲哀嘆息し、白畏天(皇前曰啓)之、「恐(かしこ)しと雖も、懐う心止使(とど)め難し。我が大王と母王と、期するが如く従遊す。痛酷比い无し。我が大王の告(の)る所、世間は虚仮、唯仏のみ是れ真なり、と。其の法を玩味するに、謂(おも)えらく、我が大王は応に天寿国の中に生まるべし、と。
《注1 「世間虚仮 唯仏是真」は聖徳太子の仏教理解の言葉であって、経典からの直接引用ではない。 但し涅槃経憍陳如品    下に「一切諸法皆是虚仮」、同経聖行品に「如来者即是真実、真実者即是仏性」とある。》
《注2 「天寿国」とは、「阿弥陀浄土」、弥勒の「兜率天」、或いは「妙喜浄土」であると諸説があり定まっていない。》

(出典 『上宮聖徳法王帝説』 岩波文庫)
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