RE 考えちがい

 「先生、おれ今から死のうと思うんだけど、ナンマンダブいうたら阿弥陀さん助けてくれるんかね」と、深夜、東井義雄先生宅への電話。
 「どうして死のうと思うの?」
 「家族にも、友達にも見放されてしまったんや」
 「あなた、自分の左胸にぴったり手を当ててごらん。… どうです、聞こえませんか。どっ、どっと動いている心臓の音が。生きていこう、頑張っていこうという声がー。
 それが阿弥陀さまの声なんですよ。
 あなたは皆から見放されたといったが、今そうして生きていこうといっている自分の身を見放そうとしているのは、あんた自身じゃないですか!」
 「………。………。………。あぁ、どうやら考え違いしていたようだ…」
と電話は切れたといいいます。
 たしかに迷いは〝わが思い〟ー凡夫の思いーにあるのでした。

(出典 東井義雄 法話より 宏壽記録)
【キーワード】
自殺 阿弥陀さん 孤独 鼓動 わが思い

参考
 わが身に行きづまりはない
 行きづまるのは私の思いだけである
廣瀬杲