RE 五十年前の懺悔
 ある日、岩元肉店の陳列棚の横に高さ30㌢
位の紙の箱、中にサイダー瓶3本と白い封筒に
二千円と手紙が入っていた。
「五十年前、私の家の犬が岩元肉店から、小袋
に入ったソーセージをくわえて来た。終戦から間
もなくの頃、貧乏で小さい子どもが三人、二食の
毎日。悪いと思いつつソーセージを家族でおいし
く頂いた。しかしそれ以後、岩元肉店の前を通る
度に胸が痛む。何度となく謝りに伺おうと思いつ
つ、その勇気なく五十年が経ってしまった。お詫び
のしるしに、ソーセージ代(?)と、私の好きなサイ
ダーを贈ります。お許しください。 近所の年寄りより」
 三階の父の所へもっていくと、五度も読み返し「ど
うってことはないのに・・・。でもこんな人間も居るな
んて素晴らしい」 翌日、店の片隅に額縁ーその中
に金色の台紙に貼られた二枚の千円札、その下に
「岩元家のお守り」と書いてあった。

(出典 JRHOKKAIDO9月号 2005年)
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    貧すれば貪す 反省 後悔