KB 十念往生
《ナーガセーナ・那先比丘(BC2世紀)がミリンダ・弥蘭王と問答して、王を仏教に帰依させた話》

王 「人、悪を作るも死に臨んで仏を念ずれば、死後天に生まれるというーこの説を信じない」
那 「小さい石、水に入れれば浮くか沈むか」
王 「沈む」
那 「百丈の大きい石を船の上におけば、没するか否か」
王 「沈まない」
那 「人、経法を知らずして小悪を犯せば、地獄に沈む。人、大悪を作るも、仏を念ずれば、
   即ち沈まず、天上に生まるなり。信じられないか」
王 「善きかな、善きかな」

(出典 那先比丘問仏経-往生要集に引用)
【キーワード】 
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沈没 経法 仏力 念仏 悪 大小

参考
【往生要集 下 臨終念相】
問ふ。生れてよりこのかた、もろもろの悪を作りて一善をも修せざるもの、命終の時に臨みてわづ
かに十声念ずるに、なんぞよく罪を滅して、永く三界を出でて、すなはち浄土に生れん。
答ふ。『那先比丘問仏経』(意)にのたまふ
がごとし。「時に弥蘭王ありて、羅漢那先比丘に問ひていはく、〈人、世間にありて悪を作ること百
歳に至るまです。死の時に臨みて仏を念ぜば、死して後に天に生るとは、われこの説を信ぜず〉と。
またいはく、〈一の生命を殺さば、死して泥梨のなかに入るとは、われまた信ぜず〉と。比丘、王に
問はく、〈もし人、小さき石を持ちて、水のなかに置在かば、石は浮ぶや没むや〉と。
王のいはく、〈石没む〉と。那先のいはく、〈もしいま、百丈の大きなる石を持ちて、船の上に置在か
ば、没しなんやいなや〉と。王のいはく、〈没まじ〉と。那先のいはく、〈船のなかの百丈の大きなる
石は、船によりて没することを得ず。人、本の悪ありといへども、一時も仏を念ずれば、泥梨に没せ
ずしてすなはち天上に生るること、なんぞ信ぜざらんや。その小さき石の没するといふは、人の悪
を作り、経法を知らずして、死して後にすなはち泥梨に入るがごとし。なんぞ信ぜざらんや〉と。王の
いはく、〈善きかな、善きかな〉と。