IN 知らなんだ (数え歌)

一つには 必定地獄と聞きながら
  うぬぼれ心にだまされて
  堕ちるわが身ということを
  ほんに今まで知らなんだ
二つには 不定のいのちをもちながら
  よもやよもやで日を送る 
  今宵も知れぬいのちとは
  ほんに今まで知らなんだ
三つには みなさん後生は大事やと
  ひとには言って聞かすれど
  わが身の大事ということを
  ほんに今まで知らなんだ
四つには よくよくお慈悲を聞いてみりゃ
  たすける弥陀が手を下げて  
  まかせてくれよの仰せとは
  ほんに今まで知らなんだ
五つには いつもお礼はいそがしく
  浮き世話に気が長い
  かかる横着者ということを
  ほんに今まで知らなんだ
六つには 難しいむずかしと歎いたが
  おのれが勝手にむづかしく
  していたものということを
  ほんに今まで知らなんだ
七つには 泣いて笑うて
  地獄をつくる
  浄土の中の地獄とは
ほんに今まで知らなんだ
八つには 役にも立たぬ雑行雑修を
  捨てもせず
  親さま泣かせていたことを
  ほんに今まで知らなんだ
九つには 光明摂取の網の中
  逃げても逃げれん
  おひかりとは
  ほんに今まで知らなんだ
十には となえる称名
  そのままが
  親のよび声ということを
  ほんに今まで知らなんだ
       松岡なみ
             晴雲寺門徒
(出典 聞法ノート)
【キーワード】地獄必定 自惚れ 老少不定
   後生一大事 浮世話 難信 雑行雑修
   光明摂取 称名 招喚