IN 今日は死ぬのにもってこいの日だ

 今日は死ぬのにっもてこいの日だ。
 生きているものすべてが、
   わたしと呼吸を合わせている。
 すべての声が、わたしの中で合唱している。
 すべての美が、わたしの目の中で
   休もうとしてやってきた。
 あらゆる悪い考えは、わたしから
   立ち去っていった。
 今日は死ぬのにもおてこいの日だ。
 わたしの土地は、わたしを静かに
   取り巻いている。
 わたしの畑は、もう耕されることはない。
 わたしの家は、笑い声に満ちている。
 子どもたちは、うちに帰ってきた。
 そう、今日は死ぬのにもってこいの日だ。
  (あるプエブロインディアンの老人の詩)
        
(出典 原作名 Nancy Wood、 "Many Winters"
    1974発表)
【キーワード】 死 自然 満足 老成 
参考
  タオス・プエブロ族のインディアンの古老 たちに著者ナンシー・ウッドが私淑して、その死生観に感銘したことを、短い叙情詩として表現している。・・・この詩の成功の秘密は、何よりもこの詩人がインディアンの「口承詩」の伝統をわがものとしているところにある。 

☆「自然法爾」の声がきこえるようだ。