IN 灯台もとくらし

○  無辺光
  灯台もとくらしと
  申せども
  南無阿弥陀仏の御ひかり
  わが身の闇の
  隅ずみまで

○  シャバ
  シャバとは 
  宿業を両手で受けながら
  いつしか願力無窮(がんりきむぐう)の
  御光波(おんはたらき)を
  身に いただくところ

○  境界線
  この世 あの世と申すのは
  人間の我見
  ごらんなさい
  この無辺の光の波を
  境界線はどこにもない

○  穴あらば
  穴あらば
  入りたしと申しますが
  私の泥どろは
  かくしきれません
  ここはアミダさまの光の中

○  海一味
  この私を 凡夫(ただびと)と知るのに
  ながい月日がかかり
  みれば周囲(まわり)の人びと
  凡夫(ただびと)のままで光っている

○  霧のなか
  念仏申さんと
  おもいたつ心のおこるとき
  霧がすこしはれ
  ぐるりの柵(さく)がとれ
  視野が広がり

○  煩悩の渦から
  私の煩悩の渦の底には
  自分にみえない
  仏がましまし
  まいにち
  智慧の光をいただく

○  天地いきいき
  ゆきづまったというのは
  自分が そう思っているだけ
  風はどこかへふき
  日は東から
  今夜も月が出るだろう

○  人生小学校
  昔むかし私は
  この小学校に入学したが
  もうじき卒業します
  ここは最後まで
  ていねいに教えてくれます

○  一大事
  自分の眼で
  自分の煩悩がみえるという
  これはたいへんなこと
  ここからが阿弥陀のくに

    榎本栄一『光明土』(昭和五九年)より
  
(出典 榎本栄一『光明土』(昭和五九年)より)
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