IN 「生業を」 他 6首

            鹿島 吉野松子 詠

・「生業を止めれば何処へでも連れて行くぞ」
  夫のことばを今日も信じて

・コロナ禍であれば旅行も儘ならず
  君は八十歳(はちじゅう)われも八十歳

・生業の二人三脚五十年
  夫の白髪われのしらがみ



・何事も始めることの難けれど
  止めるは易し 桜散りしく

・毎日が「日曜日」なれば恐ろしや
  何曜日かも時に忘れて

・わが人生「これで良かった有難う」と
  言うて死にたし言うて死ねるか

・バラ色の人生などのあるでなし
  頭にイの付くバラの現は


(出典 『新歌人』6月号2021 「巻頭詠」より)
         石川県中能登町 吉野松子
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