IN をさ・はるみの詩

1) 独り言

わたしが わたしに なるために 
じんせいの しっぱいも ひつようでした 
むだな くろうも ほねおりも
みんな とおとい けいけんでした

わたしが わたしになれた いま
すべて あなたの おかげです
おんじんたちに 掌(て)をあわせ
ありがとう ございましたと ひとりごと

 出典 晴覧詩文集『光輪』十九号 9頁
    青雲閣発行 昭和四十三年四月十四日

2) ハダカ
をさ・はるみ
ハダカニナラネバ
人間ノカナシサガ ワカラナイ

ハダカニナルト
人間ノアリガタサガ 身ニシミル

ハダカノヒトニハ
畠ノ土クレモ 尊クオガメル

ハダカノ ヨロコビハ
ハダカニナラナキヤ ワカラナイ
『心の旅路』より

3) 悲願の浄土
ホトケノ オ浄土ハ
チカクテ トオイ
人智のオヨバヌ 思惟ノ外ニアル

ホトケノ オ浄土ハ
トオクテ チカイ
合掌者ノマエニ アラワレル
『たまゆら』より

4) 念仏者
念仏する者は
失ったことを歎くよりも
日々に与えられるものを 喜ぶ
たとえ悲しみにせよ 苦しみにせよ
今日一日の経験こそ えがたい
二度とありえぬ 生きがい
『夕顔の里』より

5) かりもの
なに一つ持たずに
娑婆に出てきて
なに一つ持たずに
死んでいく
おれの物だと
りきんでいるが
みんな借りもの
なにもない (貧窮)
           『夕顔の里』より

6) Ⅳ 業報
人は もうすんだことだと かたずける
すんだことは しかし、
そのことが 終わったのではない
これから次のことが 始まるのである
それが仏教でいう 業というものである
行業は 行為とでも訳すべきもの
行業は善悪ともに 終わりなきものである
行業は一つ一つが 自分の身について
やがて、その人の ひとがらとなる
それを 宿業といわれる
今日播いた種子が 明日の花を開かせる
道をもとめるものの こころすべきは
未来の幸と不幸は わが掌の中にあることを
『春待つこころ』より

7) 後篇 オヒカリノナカニ 
十七 
念仏シテ スクワレルノデナイ
念仏モウスコトガ ソノママスクイデアル
シテミヨウノナイ シュクゴウニ
ミヲマカセテ イキテユク
ソレガ ホトケノ スクイデス
『光輪』より

【出典】 各詩末尾記載の詩文集より
ペンネーム をさ・はるみ
本名・長田智龍(ながた・ちりゅう)。鯖江市本町の
真宗誠照寺派本山・誠照寺下 願生寺23代。
(1906年2月24日~1987年1月10日)

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