IN 二度とない人生

 二度とない人生だから
坂村真民
二度とない人生だから
一輪の花にも
無限の愛を
そそいでゆこう
一羽の鳥の声にも
無心の耳を
かたむけてゆこう

二度とない人生だから
一匹のこおろぎでも
ふみころさないように
こころしてゆこう
どんなにか
よろこぶことだろう

二度とない人生だから
一ぺんでも多く
便りをしよう
返事は必ず
書くことにしよう

二度とない人生だから
まず一番身近な者たちに
できるだけのことをしよう
貧しいけれど
こころ豊かに接してゆこう

二度とない人生だから
つゆくさのつゆにも
めぐりあいのふしぎを思い
足をとどめてみつめてゆこう

二度とない人生だから
のぼる日 しずむ日
まるい月 かけてゆく月
四季それぞれの
星々の光にふれて
わがこころを
あらいきよめてゆこう

二度とない人生だから
戦争のない世の
実現に努力し
そういう詩を
一篇でも多く
作ってゆこう
わたしが死んだら
あとをついでくれる
若い人たちのために
この大願を
書きつづけてゆこう
    
(出典 坂村真民 『二度とない人生だから』)
【キーワード】 
  人生 愛 心 耳 不思議 願い


参考
坂村真民(さかむら しんみん、1909年1月6日 -
2006年12月11日)は日本の仏教詩人。熊本
県荒尾市出身。本名昂(たかし)。

一遍の生き方に共感し、癒しの詩人と言われる。
熊本県立玉名中学校卒業、神宮皇學館
(現:皇學館大學)卒業。愛媛県砥部町に「たん
ぽぽ堂」と称する居を構え、毎朝1時に起床、
近くの重信川で未明の中祈りをささげるのが
日課であった。詩は分かりやすいものが多く、
小学生から財界人にまで愛された。特に「念ず
れば花ひらく」は多くの人に共感を呼び、その
詩碑は全国、さらに外国にまで建てられている。
(Wikipediaより)