IN かけがえのない大切なもの

  かけがえのない大切なもの
何故 私は耳が聞こえないんだろう
何故 私は障害をもって産まれてきたんだろう
ふと 気がつくといつも考えてた

私は幼いころから
障害をもって生きていく厳しさ
世の中の厳しい現実
人のあたたかさ
感謝する心の大切さを教えられた
父と母はいつも厳しかったが その厳しさの中には社会に出ていったとき
世の中を生き抜いていく力を 身につけてほしい
という 願いが込められていた
私が 厳しさと共に感じていたのは いつも最高のあたたかさだった

あなたの耳と代わってあげられたら…いつも 父と母は言う
でも 代えることはできない その代わりに 私を どんなときでも 精一杯応援してくれて
支えてくれて一番に理解してくれて
そして一番の味方でいてくれる

私は耳が聞こえなくてよかったなって思う
だって そのかわりにこんなにすばらしい父と母に出会うことができたから
私のためにこんなに頑張ってくれて
私のことを こんなに大切にしてくれる人
絶対 他にはいない

…中略…

お父さん お母さん
耳が聞こえなくて困ることがたくさんあるよ
苦しくってたまらないときも 悔しくってたまらないときも いっぱいあるよ
でも これから先も そういう いろんなことが待ちうけていること 覚悟してる
その壁に背を向けないで
一つずつ 一つずつ壁をなくしていくからずっと見守っていてね

お父さん お母さん
私に 耳の障害 もたせてくれてありがとう
今ね ほんとに 心の底から 耳が聞こえなくてよかったって思うんだ
だって もし障害をもっていなかったら 今の私はいなかったと思う
それに 私の かけがえのない大切なもの
何なのか 誰なのか  それを すぐ見つけることができたから

…中略…

私は
これからもまっすぐと前を見つめて
強く 強く生きていきます          (平成18年 中学三年生)

(出典 (2007年『大法輪』12月号より抜粋)
   川原英照紹介の詩

【キーワード】 聴覚障害 父母の恩 感謝