HY 薫修(くんじゅう)

 京都の松栄堂の店員さんとの対話。
当住「お香の仕事は香り高くてよいですね」
店員「それが、困ることもあるんですよ」
当住「困るって?」
店員「いつも香の中にいると、鼻が利かなくな
   るんです。お客さんがある香を持ってき
   て焚き、この香りの香をください、と言
   われると、困ります。その香の匂いを特
   定できないんです」
当住「へえ!観経に『戒香薫修(かいこうくん
   じゅう)』という言葉があるが、香が身に
   滲んでいるということですかね」
店員「そう言われると、店から家に帰るときエ
   レベータに乗るのですが、家内が後から
   帰ってくると、もうちゃんと私が先に帰
   っているのが分かるというんです。エレ
   ベータに香の匂いが残っているからだと
   いいます」

親鸞聖人の和讃にもこうある。
 「染香人のその身には 香気あるがごとくな
  り これをすなはちなづけてぞ 香光荘厳
  と申すなる」
 念仏の香気がしみこんだ常念仏の人なら有
難いことだが、私などは煩悩悪業の悪臭が身
にしみ込んでいるのではなかろうか。
 念念称名常懺悔の他ない。
        
(出典 聞法ノート 平成22年)
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