HY ホワイトアウトとおかげさま

南極大陸では時々「ホワイトアウト」という現象が起きる。晴れた日で、上空に薄い雲のかかっている時、太陽の光が上空の雲に乱反射し、同時に地上の積雪にも乱反射すると、あたり一面が光そのものになってしまい、「影」がなくなるという現象である。
 そして人間は「影」がなくなると、距離の感覚を失ってしまい、自分のいる場所も方角も分からなくなる。まるでミルクの中を漂っているようになり、中にはクレバスに落ちて死ぬこともあるので、美しいが恐ろしいのがホワイトアウトだという。
 人生では光が幸福、影は不幸という。幸福を求め不幸を嫌う。しかし、光には影が伴う。
 そして日本人は「おかげさま」といい、自分では気が付かない、目に見えないご恩にうなづくとき、「おかげさま」という。奥ゆかしい感謝の言葉である。
 「ご恩」という言葉の元は「カタンニュー」とうインドの言葉。「なされたことを知る」という意味である。
 守本恵美という六年生の女子の遠足記にこう書かれていた。
 「お弁当の包みをほどいてみたら、お母さんの手紙がついていた。それを読んでいると、このおにぎりの一つ一つに、お母さんがこんなに心をこめてくださったのだとわかり、じんときた。わたしもお母さんになるときは、こんなお母さんなりたいという思いがこみあげてきた。」
 「カタンニュー」という私のためになされたことに気が付くと、自ずから「おかげさま」というご恩の世界に目が開かれるのである。
   善正寺法話のダイヤル 1037話 取意

(出典 平成29年2月下旬 大和郡山市
   善正寺 法話ダイヤル 1037話)

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