HY 利己的遺伝子

1970年代の英国リチャード・ドーキンスの説だという
が、動物は<種の保存のため>ではなく、自己の遺
伝子をいかに多く後代に残すかを目指すものだ。例え
ば、カモメは、隣りのヒナが紛れ込むとつつき殺してし
まうという。
 人間もわが遺伝子を多く残そうとしているのではな
いか。(○○○国のように)

(福井新聞 「若水越山」 平成25/4/24)
【キーワード】自己愛 我執 利己主義 
       遺伝子 

参考 ネットより

S07-利己的な遺伝子/リチャード・ドーキンス

我々は遺伝子という名の利己的な存在を生き残らせ
るべく、盲目的にプログラムされたロボットなのだ。
(リチャード・ドーキンス著『利己的な遺伝子』)

1976年、生物学者リチャード・ドーキンスは『利己的
な遺伝子(The Selfish Gene)』を著しました。


ドーキンスは生物は遺伝子の乗り物だと主張した
Photo:Wikipedia

その中で彼は、遺伝子は徹底的に利己的で、自分
を繁殖させることが至上の目的であるとしました。
そして、人間を含めたいかなる動物も、遺伝子を
残すためのヴィークル(乗り物)に過ぎないと言う
のです。

動物の行動原理を全て「利己的な遺伝子」によっ
て説明しようとするドーキンスの説は、世界中に
センセーションを巻き起こし、賛否両論の議論は
今日に至るまで続いています。

しかし本当に私たちは「遺伝子を残すための乗り
物」に過ぎないのでしょうか。

東京理科大学の田沼靖一教授は、その著書『死
の起源 遺伝子からの問いかけ』の中で、「性と死」
すら遺伝子を存続させるための「ストラテジー(戦
略)」だと主張しながらも、こう書いています。

このことだけ考えると、私たちはDNAを次の世代
に受け渡すだけの存在になってしまう。この悲劇
性と無意味性を超える何ものかを、計り得ない
「死」そのものを科学することによって、一度は考
えておかなければならないだろう。
この21世紀には、私たちはまちがいなく、人間の
命運をかけた選択を迫られることになるであろう。
そこでは、生きる意味、目的を自分なりにももたな
ければならなくなってくる。
(田沼靖一著『死の起源 遺伝子からの問いかけ』
朝日選書)

さらに氏はこう指摘しています。

現代の医学をはじめとする生命科学は、どのよう
にして「生きているのか」を問うているが、なぜ「生
きるのか」を問うことを忘れている。ただ生きようと
する方向のみの医学、科学であって、何のために
生きるのかを内省していない。(同書)

人生は、多少の歓喜を除けば、苦しみに耐え続け
る「涙の谷」です。私たちの存在がただ遺伝子の
繁殖のためだけにあるのならば、そんな人生に何
の意味があるのでしょうか。絶え間なき苦難と闘っ
て、なぜ生きねばならぬのか。

真に求められているのは「この悲劇性と無意味性」
を超える、本当の生きる目的なのではないでしょうか。