HY 罵しりの言葉は誰のもの

 お釈迦さまが王舎城竹林精舎におられたころ、
バーラドヴァージャ婆羅門は、一族の一人が仏門に入っ
たことに腹をたて、お釈迦さまに対しありったけの悪口
雑言をあびせかけます。
 それに対してお釈迦さまは静かに語りかけました。
「バラモンよ、君のところに友人や親戚のものが、客と
してやってくることがあるだろうか」
「ああ、もちろんあるとも」
「バラモンよ、君はそのときおいしい食べ物などで彼ら
をもてなすだろうか」
「そのとおりだ。時にはもてなすさ」
「バラモンよ、そのとき、彼らが食事を受けなければ、
それは誰のものとなるだろうか」
「客人たちが食事を受けなければ、それは俺様のも
のになるに決まっている」
「では、バラモンよ、このように君は私に罵詈雑言を
あびせかけ非難しているが、私は君の罵詈雑言を受
けとらない。だから、バラモンよ、悪口は君にもどり、
悪口は君のものだ」
「!」

 バーラドヴァージャ婆羅門はここで目ざめて
釈尊の弟子になったという。
 
(出典 南伝大蔵経12 相応部経典1 276頁)
【キーワード】罵り 自らの不徳

【参考】
(相手を傷つける言葉「罵り」は実は自分を傷つけ
ることになる。
 大経には「遠離ソ言。自害害彼。彼此倶害」(自
分を害し、他の人を害し、そしてその両方を害する
ような悪い言葉を避ける)とある。