HY 値段と値打ち

子どもの法話
 「値段」と「値打ち」
 
 この間の日曜日、お昼ご飯をいただきながら、「何でも
鑑定団」というテレビ番組を見ていました。「汚いお皿が
出てきたぞ。あんなものきっと千円もしないだろう」と思っ
て見ていると、ヒゲの鑑定師の先生が出てきて、「いやー、
いい仕事
してますねー。これは恐らく○百年前、九州の○○で焼
かれたものに間違いありません。それにしても、このよう
なものがよくぞ今まで残っていましたねー。大事にして
下さいよ」と言って○百万円の値段がついたのです。
 大喜びする出品者を見ながら私はこんなことを考えて
いました。
 「値段=①現物の値段+②その物のもつ値打ち」か
なあ。いやいや①は大
したことがなくても、②がしっかりしていれば、それはそ
れで大したものになるのだなあ、などと。

 そういえばいつか読んだ本に、こんなことが書いて
あったぞ。確かアメリカのお医者さんだったと思うが、
人間の体を科学的に分析したんだって。つまり人間は
どれ位の量の、何から出来ているかということを調べ
たんだ。そうしたらね、体の大きさにもよるんだけれど、
普通の大人で大体三十七リットルの水と、石鹸六個
分の脂肪と、あと炭素・石灰・マグネシウム・鉄・硫酸
などで出来ていて、これらをお金で計算すると、どんな
に高く見積もっても千円しないそうです。千円もしない
ものが、何万円もする洋服や靴をはいて歩いているの
かと思うと、何だかおかしいね。しかもこれは大臣も博
士もあなたも私も、①の物としては千円
程度までということ。

「いや、そんなの絶対いや。千円どころかお金じや買
えない、値段なんかつけられない大事な大事な私の
たった一つの命なんだから」と絶叫したい思いですね。
だったら値段ではなく、②私の命の値打ち、人間とし
て生きることの値打ちを「仏教」(お釈迦さまの教え)
の中に問うてゆきましょうね。

(出典 越前市安養寺町専応寺住職
 (仏の子を育てる会)安野龍城
  「子どもの法話」
 福井新聞 『心のしおり』
  平成22年3月24日)
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