HY 故郷の音 「響」


 サテ、これほ、文字? 紋様? 図柄?…
、でなければ床の間の??
 これ実ほ、纂書体による漢字「響」という
字の原型ともいえる書体です。
 なァーるほど、そう云われれば、そのよう
にも……。中央下部に音のような字形が
浮かびます。ここで、漢字「響」という字を、
ジックリ見つめ直してみましょう。何しろ画
数の多い字なので、一字書き終えたらホッ
とします……。ので、つい、(ひびく)と書い
てしまいますネ。
 そこで、一息深呼吸。すると、郷音、何
と郷里の音と読めて来ました。
 郷里を思い浮かべるのに、時間と空間の二つの約束が考えられ
ますネ。
 一人、一人、みんな違います。いつ、どこで、私が育った、物心の
ついた場所や時代、それに聞いた音、聞こえた声……。それは、
風であったり、季節の虫だったり、父、母、兄弟姉妹の私を呼ぶ懐
しい声だったり……。
森 正隆

(大阪 阿倍野区 蓮光寺 前住 森正隆『和尚の硯箱』446号)

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