HY 神様におまかせ(ドイツ民話)

ドイツに真面目でよく働くが、貧しさから脱け出すことのできない農夫がいた。
雲の上から神様がこれをご覧になって可愛そうと思い、農夫の前に姿を現し、
こういった。
 「お前は正しい生き方をしているから、褒美として、一つだけ願いを叶えて
やろう。何を願うかね」
 咄嗟のことで、何を一番の願いとしたらいいかわからない。農夫は「一晩考
えさせてください」と頼む。神様は承諾した。
 その晩農夫は「やはりこの世は金と財産だ」
と思い、翌朝、神様が出てこられてとき「山ほどのお金を」と言おうと思ったが、
なぜか不安になってきた。「もう一晩考えさせてください」と。
 その晩考えた。「今一度に金持ちになっても、直ぐに死んだら何にもならん。
やっぱり長生きだ」と。
 翌朝、神様がお出ましになったとき農夫は
「健康で長生きさせてください」というと、神様は「いつまでかね?」という質問。
 「250歳まで」と答えようと思ったが、自分だけ生き残って、家族、親戚、友
人がみな死んでしまうと、一人ぼっちになってしまう」と
思いあたり、「すみません、神様、もう一晩考えさせてください」とたのむ。
 神様は不承不承、「じゃもう一晩だけだぞ」と
承諾。
 そしてその晩、農夫はあれこれといろいろ考えてが、これなら、本当に幸せ
になるというものがみつからなくなってしまった。
 そこで、だい3日の朝、農夫は「どうしてくださるか、神様におまかせします」
と、最後の結論を出したということである。

(出典 山本龍昇(加賀市上宮寺) 法話で)
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