HT 法然上人の抱えた問題
法然上人は比叡山を下りて、町なかに道場を構
えられ、本願念仏のお法を説かれたが、そこには
二つの問題を抱えていた。
一 生涯、出家(妻帯・肉食せず)としての生活
を保たれた。(山を下りても、僧籍は比叡山におい
ておかれた?)新しい仏教を保つために、むしろよ
り厳しく、出家としての生活を保ち続けられたので
あろう。・・・時代的に止むを得ないこと。
二 法然上人は本願念仏を「説く」立場に身をお
かれた。本願念仏は本来いただく(聞く)という立場
において、初めて明瞭にされていく法である。
法然上人は、ご自身がかかえておられた課題を、
さらに明らかにすることを親鸞聖人に託された。
☆『選択集』の書写を許された
☆「綽空」の法名を与えられた
道綽(浄土宗の基礎…『選択集』冒頭
の引文が『安楽集』)と源空
…浄土宗独立の後事を託す願いの命名
そして親鸞聖人は自ら①妻帯し、②本願を聞く
立場に自らをおかれた。
<参考>
「浄土真宗は法然上人と親鸞聖人のお二人に
よって開かれた仏教である。
法然上人 … 説浄土真宗 を開く
親鸞聖人 … 聞浄土真宗 を開く」
大谷大学で講義 正親含英師
(出典 廣瀬 惺(しずか)「本願」…『ともしび』
686号 21年12月号)
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