HG 悪口

人の悪口を云うのはやめよう
それを一番近くで聞くのは自分の耳だから
              伝道法語

(悪口は聞く者の心を荒ませる。
 愛語は聞く者の心を安らぐ。)

(補説1)
 四知 ~天知ル地知る我知ル人知ル~
「どうせ誰も見ていないのだから…」と思っ
ても、きっと誰かが見ている、知っている。

(補説2)
◆四知
 古代中国の楊震(ようしん)という高官の
もとに、ある夜、お金を届けに来た男がいま
した。楊震に推薦してもらって役人になれた
男でした。男の持ってきたお金は、賄賂だっ
たのです。「まあまあ、夜も遅く、誰も知る人
はいませんから。」
懐からこっそりとお金を取り出して、渡そうと
すると楊震は言いました。
「私は君の人柄を見こんで推薦したのに、君
は私を見くびっている。」
「天が知っている。神が知っている。私が知っ
ているし、君も知っている。知る者がいない
など とんでもない!」
こう言われた男は、たいそう恥じてその場を
去りました。
 楊震は、内緒の贈り物など、絶対に受け取
りませんでした。そのため、家族のものは粗末
な食事をし、車馬にも乗れない生活をしていま
した。
これに見かねた友人が、「なにか財産を作るよ
うなことをしないのか」と聞いたところ「私は子
孫に財産を残そうとは思わない。のちのちまで、
嘘いつわりのない正直な人の子孫だといわれ
ればそれで満足だ。これが最大の遺産だ」と答
えたそうです。
 この楊震の言葉は「天知る、地知る、我知る、
人知る」とも呼ばれています。誰も知らないと
思っていても、自分以外に知っている人が必ず
いるものなのですね。

(補説3)
「人の悪口は嘘でも面白いが
 自分の悪口は本当でも腹がたつ」
             (伝道法語)

(補説4)
 「ぼくの悪いこと言うな」
       孫 透の幼児のころのことば
       子どもは直截的にいう
       心根は大人になっても同じ
       だれも自分の悪口を好む者はない


(出典 楢崎正道 本願寺ご正忌御堂説教
   補説 宏壽)

【キーワード】 十悪 悪口 我知る